執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
 

 幹太にそこまでしてもらう訳にはいかないと抗議の声を上げたのだが、彼は雫の声など耳に入っていないようで真剣に悩み始めた。

「いや、それだけでは手ぬるいな……。ボディガードも検討した方がいいな」
「ちょっと、幹太くん」
「その前に雫と敏美さんは、永江の実家で匿うか。うん、それがいい」

 一人で勝手に話を進めていく幹太を必死に止め、それはさすがにやり過ぎだと訴えた。

 幹太は昔から雫に対して過保護であるが、これはさすがに遠慮したい。
 母だっていきなり永江家にご厄介になると聞いたら、顔を真っ青にして遠慮するのは目に見えている。

 そのことを幹太に懇々と説明をすると、ようやく折れてくれた。
 だが、内心ではまだ諦めていない様子が伝わってくる。

「なるべく一人にならないように気をつける。もし、何かあったら絶対に幹太くんに相談するし連絡する。だから、そんなに心配しないで!」
「だけどな、雫――」

 まだ何か言いたげな彼に「ダメです」と強く言い切ると、恨みがましい目を向けられてしまった。
 そんなやり取りをしていると、彼はチラリと腕時計に視線を向けて時間を確認する。
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