執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~


 車に乗り込むとき、真亜子はこちらを向いてくる。彼女は雫をジッと睨み付けていた。
 申し訳程度に雫に小さく会釈をしたあと、彼女は助手席に乗り込んだ。

 ドライバーがいたようで、真亜子が乗ってすぐに車を発車させた。遠ざかっていく車を見ながら、雫は力なく呟く。

「……確かに。その通りだよね」

 真亜子に言われた言葉を噛みしめ、キュッと唇を噛む。
 雫の落胆した声は、雨脚が強まるとともに消えていった。

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