執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
運転をしている幹太に向かって頭を下げると、彼はどこかホッとした表情を浮かべた。
――幹太くん、優しすぎるよ。
彼の優しさに触れるたびに愛されていることを実感する。だが、同時に申し訳なさも感じてしまう。
彼にどうやって気持ちを返せばいいのか。そんなことを頭の片隅で考えていると、幹太は口角をクイッと上げて意味深にほほ笑む。
「安心しろ、雫。この借りは雫で返してもらうから」
「え……?」
「ただでは動かない男だぞ、俺は。用心しておいた方がいい」
「え、えっと?」
なんだか雲行きが怪しくなってきた。
逃げ腰になるが、ここは車内だ。雫に逃げる余地などない。
雫が焦っている間にも、車は雫と母が住むマンションの地下駐車場に入っていく。
来客用駐車スペースに車を停めてエンジンを止めると、幹太は雫の腕を掴んでくる。
え、と声を出して驚く間もなく、雫は幹太に引っ張られた。そして――。
「ん……ぅ……っ」
幹太は雫の唇を奪ってくる。思考がストップしてしまいそうなほど甘く蕩けてしまいそうなキスの連続にクラクラとしてしまう。
「ずっと、雫とキスしたかった」