執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
幹太が心配するといけないので、こういうときは『同僚たちと一緒に帰ります』とだけメッセージを送っておくようにしている。
メッセージを送信しながら、こっそりとため息を漏らす。
幹太は遠慮するなと言うけれど、もう一度彼を説得した方がいいだろう。
こうして同僚たちと一緒に帰れば、一人になることもない。大槻だって接触はできないはずだ。
今夜、幹太と電話で話せないだろうか。そんなことを考えながらスマホをバッグに入れる。
「井熊さん。今日は彼氏のお迎え?」
「いえ、ご一緒させてください」
身支度を済ませて同僚たちと駅まで行き、改札を入ってから彼女らと別れた。
自宅最寄り駅へと行く電車のホームへと向かおうとすると、バッグの中に入れておいたスマホがブルブルと振動し始めた。
通行人の邪魔にならないように隅へと移動をしたあと、バッグからスマホを取り出して確認する。晶子からだった。
「もしもし、晶子ちゃん」
どうしたの? と問いかける前に、彼女は食いつき気味で話し出す。
『雫!? 仕事は終わった?』