執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
確かにお互い顔と名前は知っていたが、話すのは初めてだ。雫も自己紹介をすると、水埜は何かを思い出したように噴き出す。
どうしたのかと不思議がっていると、水埜は「スミマセン」と謝ってくる。
「いえね、幹太さんはなかなか嫉妬深くてですね。絶対に私と雫さんを近づけさせたくなかったようですよ」
「え?」
首を傾げると、彼はますます楽しそうに笑った。
「嫉妬ですよ、嫉妬。雫さんが私に靡いてしまうのではないかと警戒しているみたいです」
「ええ!?」
あのとき幹太が言っていたことは、本心だったのか。
顔を真っ赤にさせていると、水埜は肩を震わせながら雫を部屋の中へと促してきた。
「幹太さんは寝室で眠っていますよ。今は薬が効いてきたみたいで落ち着いています」
「そうですか」
安堵しながらリビングへ足を踏み入れると、ソファーのところで女性がノートパソコンを使っているのが見えた。真亜子だ。
彼女はノートパソコンを閉じると、顔を上げて水埜に声をかける。
「水埜さん。永江さんが途中まで作成していた資料は出来上がりました。メールに添付しましたので、あとでご確認ください」