執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
ホッと胸を撫で下ろしてベッドの傍に行き、その場にしゃがみ込む。
まだ熱は高いのだろうか。傍に来てわかったが、呼吸が荒い気がする。
「ごめんね、幹太くん」
小さく呟いた声は、震えていた。
幹太には雫の声は届かないだろうけれど、それでも言わずにはいられなかった。
視界が滲んできて、今にも零れ落ちそうな涙を止めようと必死になる。
今、彼が目を覚ましたら、泣き顔の雫を見て心底心配してしまうだろう。
これ以上、幹太に心配をかけさせたくはない。キュッと唇を噛みしめながら彼を見つめていると、瞼が微かに揺れる。
ゆっくりと瞼が開き、雫の存在が映ったのだろう。
一瞬驚いたように目を見開いた。だが、すぐにばつが悪い表情になる。
「晶子に聞いたのか?」
「うん」
小さく息を吐きながら、「叔父さん経由で晶子に伝わってしまったのか」と舌打ちをした。
雫は幹太の手に自分の手を重ね、首をゆるゆると横に振る。
「晶子ちゃんは悪くないよ。幹太くんの一大事を教えてくれただけだもの。私は感謝している。そんなふうに言わないで」