執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
幹太は雫に今回のことを絶対に話すつもりはなかっただろう。倒れた原因が自分にあると雫が落ち込むことがわかっていたからだ。
幹太は困ったように眉尻を下げたあと、「そうだな」と苦笑する。
「晶子が雫に連絡してくれたおかげで、こうして雫に会えた」
「幹太くん」
「感謝こそすれど、批難するのは間違っているな。晶子にどやされる」
晶子がふくれっ面をしている様子を思い浮かべたのだろう。彼は噴き出して笑ったあと、雫の手を握ってくる。
「雫、明日は休みだろう?」
「うん」
「……傍にいてくれないか? あ、でも……風邪が移っちゃうか」
シュンとしょげて眉尻を下げる彼を見て、雫は頬を綻ばせる。
「大丈夫だよ。泊まっていく」
きっぱりと言い切ると、彼はどこか嬉しそうに目を閉じた。
「こんな年齢になっても、やっぱり病気のときは寂しく感じてしまうんだな」
「年齢なんて関係ないよ。子どもだって大人だって、寂しいと思うことはあるんだから」
「そう、だな……」
やはり熱で体力を消耗してしまっているのだろう。彼はうつらうつらとまた眠りに入ってしまった。