執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
「どうしたのかな……」
一晩中看病をしていたので、寝不足になってしまったのだろうか。もしくは幹太の風邪が移ってしまったのかもしれない。
幹太が目覚めるまでいたかったが、こんな調子のまま彼に会ったらまた心配をかけてしまうだろう。
バッグからメモ帳を取り出して作り置きしたものリスト、洗濯物などの家事は済ませておいたことなどを書き綴る。
文末には『今朝から用事があるので、家に帰ります』と嘘を書いておく。こうしておけば幹太が変に気を遣うことはないだろう。
もう一度だけ幹太の様子を見るために、ベッドへと近づく。
「早くよくなってね」
寝ている彼に小さく囁きながらも、罪悪感に見舞われる。
大槻のこと、そしてこれからのことも含めて雫は考えなくてはならない。
今までは幹太を狙う女性たちに負けん気でいた。
絶対に彼を渡したくない。そんな強い気持ちを持ちながら、少しでも彼にふさわしい彼女でいたいと努力をしていたつもりだ。
へこたれることもたくさんあったけれど、それでも幹太が好きで彼の傍を離れようなんて思わなかった。けれど……。