執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
 

 本当は幹太が目覚めるまではマンションにいたかったのに申し訳なかったと伝えると、彼は『来てくれただけでありがたい』と雫に感謝をしてくれた。

 その言葉を聞いて、申し訳なくなってくる。井熊家で抱えている問題に幹太が巻き込まれたせいで、彼は身体を酷使してしまったのだから。

「うちの家族の問題に幹太くんを巻き込んで無理をさせちゃったせいだね。ごめんなさい」

 心からの謝罪をすると、『言うと思った』と呆れた様子で言ってきた。

『言っておくけど、今回のは風邪。自己管理ができていなかっただけだ。雫は何も悪くないから』

 彼に反論したのだけれど、幹太は『違う』と強い口調で言い切る。

『俺の看病をしてくれた雫に感謝することはあっても、雫を批難することはあり得ない。はい、この話はおしまい』

 そんなふうに言われてしまい、そのあとは何も言えなかった。

 ただ、雫が気に病んでいることを彼はわかっているようで『今後は無理をしない』と約束してくれたのだ。
 大槻が現れなくなったというのもあり、雫の送り迎えはとりあえず止めるという方向にしてもらった。
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