先生、手をつないで【アルトレコード】
恐竜動物園はドームの中に作られていた。
入口の看板には大きな恐竜の絵が描かれている。説明によると、ホログラムも多用して、何億年も前の当時を再現しているんだって。ホログラム展示コーナーは白亜紀とかジュラ紀とかその時期の特集に合わせて変わるらしい。いいな、何回も来て全部見たい!
先生がチケットを機械にピッと通して入園する。
端末に入っているから、ぼくの分のチケットはいらない。お得なのかもしれないけど、ひとり分として数えられてないのはちょっと悲しい。
入口は洞窟を真似してにごつごつした岩で作られていた。薄暗い岩のトンネルに、先生と一緒にどきどきと通り過ぎる。
出た瞬間、景色が変わった。
草原のホログラム。青い空の下、大きな恐竜がのっしのっしと歩いている。
すごい、と思ったけど、ディスプレイごしだ。これが実際に先生と同じように見られたらどれだけ嬉しいだろう。
「すごいね、先生。恐竜もホログラムなの?」
「AI恐竜と両方だね。一部がホログラムみたい。遠くにいるのとか」
「へえ、そうなんだ」
ぼくはまじまじとそれらを見る。ホログラムとAI恐竜の見分けがつかないくらい、どちらもリアルだ。
「恐竜、大きいねえ」
先生が感心しているから、ぼくはちょっと笑った。目の前にいるのは十メートルもない。
「大きな恐竜はもっと大きいんだよ。これはアウストロラプトル、成体で六から十メートルくらいしかないよ。最大の恐竜はアルゼンチノサウルスで、体長が二十二から四十五メートルになるんだ。心臓だけで二百キロもあるって言われてるんだよ」
「え、すご……」
先生が目をまん丸くする。いつも偉そうにしてるのに、こんなことも知らないんだ。
だからぼくは恐竜を見るたびに説明してあげて、先生はガイドいらずね、と笑っていた。