先生、手をつないで【アルトレコード】
「冷たい、甘い、おいしい!」
 先生があんまり嬉しそうだから、ぼくはふふっと笑う。

「ね、だから言ったでしょ、パフェがいいって」
「うん、アルト大正解!」
 そう言って先生は嬉しそうにパフェを食べる。

 こういうとき、先生を撫でてあげたくなる。だけど、ぼくとの間には見えないけれど絶対的な壁があって、ぼくは先生に(さわ)れない。

 ぼくは先生が事前にデータで用意してくれていた恐竜クッキーを食べて、オレンジジュースを飲んだ。いつも先生がくれるジュースと同じはずなのに、なんだかすっぱく感じた。

 休憩を終えると、先生はぼくをお土産コーナーに連れて行った。
 そこにはたくさんの恐竜のぬいぐるみがあって、お菓子もたくさんあった。

「北斗にお土産を買うの?」
「北斗さんはいらないって言ってたから、アルトのお土産を買おうね」

「ぼく、ここにいるのに?」
「お土産は自分用に買ってもいいんだよ」

「ほんとに!? じゃあ、ぼく……」
「あ、でも高いのは駄目よ。あれとか」
 先生が指を差したのは、二メートルくらいありそうな恐竜のぬいぐるみ。ぼくは、がっかりした。まさにあれが欲しかったのに。

「高いって、背の高さじゃなくて値段のことだからね」
 しっかり釘を刺されて、なおさらがっかりだ。

「じゃあ、なんならいいの……?」
「うーん……どうしようかな。物によるかなあ」
 先生は首をひねってそう答える。
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