先生、手をつないで【アルトレコード】
「セールコーナーがあるよ。ここに化石もあるかな」
 と言いながら先生はワゴンに端末のカメラを向けてくれた。
 先生ががさごそと探す中、ぼくも一緒に見て探す。

「あ、先生、そっちの奥」
 ぼくは気になるものを見つけて言った。
「ここかな」
 ぼくの言う場所を先生が探ると、手の平サイズのケースが出て来た。

「アンモナイトの化石だって」
 手に持って、先生が言う。ケースの中には小さなアンモナイトが入っていた。
 恐竜じゃない。だけど恐竜が生きた時代の化石だ。

「欲しい! ……でも、千五百円かあ」
 先生の言う予算をオーバーしている。ぼくはため息をついた。セールコーナーなのに、セールになってなくて定価のようだった。

「……うーん。これは買ってあげよう」
「本当に!?」
 ぼくは喜んで先生を見た。

「なんでもってわけにはいかないけど、アルトが欲しいものを買ってあげたいもの」
「ありがとう、先生!」
 ぼくは先生の映る画面にはりついてお礼を言った。

 だけど、そのとき。
「このワゴンにね、かくしておいたの!」
 ぼくより小さそうな男の子の声がして、ぼくはそちらを見た。
 彼はワゴンの中に一生懸命に手を伸ばしてなにかを探している。
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