組長様は孤独なお姫様を寵愛したい。
「どうして、そこに…?」


「どうしてって、ここ俺の部屋の前でしょ?なんか気配感じて出てみたらやっぱり茉白だった。」



…あ、そっか。

ここは確かに橘さんの部屋の前だ。


床しか見てなかったから気づかなかった。



「すみません、うるさかったですか?」



私がそう言うと、橘さんはうーんといったような顔をして



「あー、うるさかったね。たしかに。」



少しだけ、ほんの少しだけだけど、冷たい瞳をしてそう言った。



「あ…、そうですよね。すみません、気をつけます。」



結構静かに床を拭くようにしてたけど、意外と静かに雑巾がけするのって難しいんだ。


なんて思ってたら、



「…え?」



ひんやりした手が私の頬に当たった。



「青臭いガキにかわいーって言われて嬉しかった?」



………青臭いガキ…??かわいい?


…もしかして三影のことを意味しているんだろうか。



「それは、三影のことですか?」


「…うん、そう。」


「えっと、会話聞いてたんですか…?」




私たちが話してたのは廊下だし、橘さんの部屋からも少し距離があるはずなのに。



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