アルト、雨を体験する【アルトレコード】
「もちろん研究所の外には出ません。中庭程度で」
「ダメだ、許可できない」
思いがけない却下に、私は目を丸くした。
「どうしてですか?」
「雷がすごいよ。撃たれたらどうするの。君もアルトも、ってことになるよ?」
「ええ……。でもあんまり雷に撃たれるなんてないと思います」
「そういう油断が危ないんだ。危険があるとわかっていて許可はできない」
厳しい声音に、私はしょんぼりとうつむいた。
「わかりました。日を改めます」
北斗さんに言ってから、私は外出用端末の中のアルトに言う。
「ごめんね、アルト。外出はダメだって。また今度、大丈夫な雨の日に行こうね」
「わかった」
アルトは言葉少なに答える。その表情は無そのもので、彼がどう思っているのかはわからなかった。
私は雨の日を待ち構えた。
が、待つときに限って雨が降らない。
天気予報を見ても高気圧がのさばっていて、低気圧はまったく見る影もない。
焦れた私はてるてる坊主を作って逆さまに吊るした。
「せんせ、それ、なに」
アルトに尋ねられ、私は答える。
「てるてる坊主だよ。これを吊るすと晴れて、逆さまに吊るすと雨になるって言われているの」
「そうなんだ」
アルトは抑揚の少ない声で答える。
「ダメだ、許可できない」
思いがけない却下に、私は目を丸くした。
「どうしてですか?」
「雷がすごいよ。撃たれたらどうするの。君もアルトも、ってことになるよ?」
「ええ……。でもあんまり雷に撃たれるなんてないと思います」
「そういう油断が危ないんだ。危険があるとわかっていて許可はできない」
厳しい声音に、私はしょんぼりとうつむいた。
「わかりました。日を改めます」
北斗さんに言ってから、私は外出用端末の中のアルトに言う。
「ごめんね、アルト。外出はダメだって。また今度、大丈夫な雨の日に行こうね」
「わかった」
アルトは言葉少なに答える。その表情は無そのもので、彼がどう思っているのかはわからなかった。
私は雨の日を待ち構えた。
が、待つときに限って雨が降らない。
天気予報を見ても高気圧がのさばっていて、低気圧はまったく見る影もない。
焦れた私はてるてる坊主を作って逆さまに吊るした。
「せんせ、それ、なに」
アルトに尋ねられ、私は答える。
「てるてる坊主だよ。これを吊るすと晴れて、逆さまに吊るすと雨になるって言われているの」
「そうなんだ」
アルトは抑揚の少ない声で答える。