探偵男子たちが強すぎる
そっとリビング前の壁に隠れ様子をうかがうと、

「だから不可抗力だって言ってるだろ。たまたま蓮佳同様、風呂に入るのが遅くなっただけ」
「それがあの光景にどう繋がるんよ」
「ラッキーだったねー(うらや)ましー」
「ちょっと静空先輩」
「はい黙りまーす」

静空くんだけがソファでくつろぎ、黒相兄弟と壱弥くんがテーブルを挟み向かい合う形で座っていた。

「まぁもう遅いし、何を理由にしても殴るわけやないから安心しぃイチ?」
「そうそう。虫だらけの刑にしたりますからね、壱弥先輩」

虫というワードに青ざめていく壱弥くん。
これはまずい……

「ちょっと待って!?わたしが鍵かけてなかったのがそもそも悪いの。だから壱弥くんは……」
「いや、俺が悪いノックするべきだった」
「こういうラッ……ハプニングは男子が悪いということで。騒ぐ前に早く寝ようよー」

明らかにラッキーと言いかけた静空くんは、おやすみーと手を振り先に部屋へ戻っていく。

「はぁ、確かに早起きですし今はこのくらいで。お休み、蓮佳先輩。ほら壱弥先輩も早く来て」
「おいっ引っ張んな」

徐々に静かになっていくリビングで、夏音くんはゆっくりと椅子から立ち上がると俯きがちにわたしの前に来て止まった。

「夏音くん?……あたっ」

顔をのぞき込んだら、ペチッと額にデコピンをされた。勿論全く痛くないけど。

「……めっ、やで」
「え?」
「これはさっきウチの肝が冷えた分。困ったり何かあった時はすぐウチのこと呼びや?どっからでもすっ飛んで行ったるから……ええね?」

困ったようにわたしを見据える夏音くんに、わたしは頷いた。

「ええ子やね。ほならお休み……の、ハグや」
「えっ!?」

一瞬で夏音くんの腕の中へ。ぎゅっとされて数秒……

「今日はこれで大人しく寝るわ。ええ夢見ぃや」

お休み、と頭を撫でられ、うん……としか返せなかった。

な──なんでさっきからこんな心臓忙しいの!?
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