きらきらしてきれいだった【アルトレコード】
「アルト、大丈夫?」
「うん。びっくりしたけど大丈夫」
 アルトは目を丸くしていて、だけどその顔は笑っていた。

「あ、あの人、沈んじゃった」
 アルトの声にプールに目を戻すと、イルカが先端に人を乗せたまま潜水している。
 驚いている間にイルカがぐいっと浮上し、人とともに大きくジャンプした。

「すごい……!」
 かおるたちは思わず拍手をした。
 客席からのたくさんの拍手に、イルカは手をふるようにひれを振って応える。

「私たちはイルカへの合図にホイッスルを使っていますが、イルカも笛に似た音を出すことがあるんですよ。どんなときかわかりますか?」
「昨日調べた。話すときだ!」
 司会の言葉に、アルトはわくわくと言う。

「答えは、会話をするときです! なんとイルカ同士で会話ができるんですよ」
「当たったよ、先生!」
 嬉しげなアルトにかおるは小さく笑った。

「イルカはほかにもエコロケーションというすごい能力があって、音の反響で物の位置や大きさをはかってるんですよ。ところで円藤(えんどう)さん」
 司会はプールから上がった男性の係員に声をかける。

「なんでしょう」
「スマホ、持ってます?」
「持ってますよ。昨日買った最新機種です。防水機能つきですよ」
 円藤はドヤ顔でスマホをみせびらかす。
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