きらきらしてきれいだった【アルトレコード】
「少しだけね」
「やったあ!」
 北斗のお墨付きに、アルトがはしゃぐ。

「イルカさん、ジャンプして!」
 アルトが叫ぶが、イルカは反応しない。

「ぼくがやるとなんでダメなんだろ」
「声紋登録も訓練もしてないから無理だよ。ボールが好きみたいだから入れて上げよっか」

「うん!」
 アルトに声をかけてから、プール脇にあったボールを投げ入れる。と、イルカが鼻先でひょいと打ち返して来た。
 なんど投げても上手に打ち返してくるので、かおるもアルトも驚いた。
 ミスをして水に落ちたときには、器用に鼻先で押してぽんと投げて来る。

「イルカってすごいね」
「そうだね。頭がいいとは聞いてたけど、思った以上かも」
 かおるは感心しながら答えた。

「先生、ぼく、イルカと話せるアプリを入れてきたんだ。使ってもいい?」
「北斗さん、いいですか?」
 かおるは北斗を見る。と、彼は微笑した。

「いいんじゃない。検査の一環ということで」
「やった!」
 アルトはさっそくアプリでイルカの鳴き声を響かせる。
 イルカが興味深そうにこちらを見るので、かおるはアルトの入った端末を彼らに見せた。

「こんにちは! 仲良くしてね!」
 アルトが声をかける。
 アプリが翻訳してぴー、きゅうー、と音を流す。イルカも返事をして、良さげな雰囲気だ。
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