きらきらしてきれいだった【アルトレコード】
「電波状況OK、エコロケーション確認」
 一頭ずつ、順番に四頭の確認をしていく。
 エコロケーションはイルカが持っている機能でAIイルカにも搭載されている。クリック音をさせて、音の反響で物の位置などを確認するのだ。プールでも点検済だが、海でも機能するのか検査した。

「エコロケーション、OK。次はホイッスル。コード2001、お互いに話をして」
 水中マイクとスピーカーを海中に入れ、ホイッスル音を流す。

 水中では空気中よりも音の伝わりが早く、イルカには人間に聞こえない音も聞こえているという。
 イルカは水中でホイッスル音でやりとりを始めた。かおるは水中マイクが拾った「ぴいー、ぴゅー」という鳴き声でそれを確認していく。ノートパソコンには翻訳されて文字が流れていく。

「先生、イルカたちはなんて言ってるの?」
「こんにちは、とかそんな簡単な挨拶をしてもらったんだよ」

「ふうん……そうだ、先生、ぼくを落とさないように水の中につけて?」
「ダメよ。急にどうしたの?」

「昨日のイルカと話すアプリね、海の中でも使えるんだって。確かめてみたい」
「それなら……」
 かおるは海中に入れてあるマイクのコードをアルトの端末に繋ぎ直す。

「これでやってごらん」
「やった! イルカさん、ぼくはアルトだよ。元気? 大好きだよ」
 アルトは喜び、話しかける。

 すると、イルカたちはからもぴーぴーと賑やかな声が返って来た。パソコンには、「元気だよ。ぼくも大好き」と返信が翻訳されて表示されている。
「お返事もらえた。うれしい!」
 はしゃぐアルトに、かおるの頬が思わずゆるむ。
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