きらきらしてきれいだった【アルトレコード】
 だけど、ずっと遊んでもらうわけにもいかない。
 AIイルカを呼び戻すと、野生のイルカもついてきて、かおるは焦った。
「ついてきちゃった」
「お友達になったのかもね」
「お友達……いいな」
 アルトの声に少し切なさが宿り、かおるの胸が痛む。

 アルトは秘されたAIであり、友達など存在しない。研究所の人たちと仲良くなりつつあるが、大人ばかりだ。対等な友達がいたら、どれほどアルトが幸せだろう。
 そう思いはするが、友達を作らせてあげられない。まだ無理だ。今はまだ……。

「ねえ、ぼくとも友達になって」
 アルトが言うと、イルカがぴいいっと鳴いた。
「いいよ、だって!」
 アルトが喜び、かおるの顔がほころんだ。
 こんなところで友達ができるなんて、一秒前まで思ってもいなかった。

「良かったね。だけど今はテストを続けさせてね」
「わかった。またね、イルカさん」
 かおるはアルトの挨拶のあとで端末の接続を外してノートパソコンに再接続し、AIイルカにコードで指令を出す。
 イルカたちは一斉に潜り出し、水中ドローンも潜っていく。深く潜らせる深度テストだ。

「一頭、ちょっと遅いかも?」
 画面を見てつぶやくと、雄介が答える。
「サンゴでしょ。いつも遅いんですよね。小熊井さんにも相談したんですけど」
 確かに北斗からも言われていた。機能的には問題ない、とも。
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