何もかも失ったわたしに待ち受けていたのはイケメン達との極甘な同居生活でした
「…!はいっ!きっと健康な生活が出来るようにしてみせます!!」
「…は?」
「すず、お待たせ。つぎ行こう。バーチャン、世話になったな」
翠さまはまたわたしの腰に手を回すと停めてある車のドアを開け、わたしを半ば強引に助手席に押し込んで素早く発進させた。
次は確かお洋服。
てっきり繁華街へと向かうと思っていたのだけれど、車はどんどん街の外れへと走ってゆく。
「…あの、翠さま?」
いよいよ不安になってきたわたしが声を掛けると翠さまはそんなわたしからの声かけを待っていたかのようにニヤリと笑むと、
「まぁ、着けばわかるよ」
スピードを更に上げた。
大きな森の手前まで来ると翠さまはゆっくりと車のスピードを緩めた。
程なくして現れたのはドイツ西部の町にあるようなモノトーンで統一された木組み建築の、まるでメルヘンの町に建てられているかのような大きな一軒家。
どう見てもお店ではない。
「ここ…ですか?」
「ああ。とびっきりのスタイリストがすずを待っている。行くぞ」
「っっ、」
翠さまの、とびきりの笑顔を見せられて心臓が大きく跳ねた。