何もかも失ったわたしに待ち受けていたのはイケメン達との極甘な同居生活でした
「チサトさん、早速だけど、いい?」
わたしの必死の訂正も翠さまに阻まれて、なんとも言えない気持ちになってしまった。
そんなわたしを他所(よそ)に、ふたりは談笑しながら奥の部屋に消えてしまった。
慌てて後を追うと12畳ぐらいの洋室にズラリと可愛い洋服達が並べられていた。
「わ、あ…っ」
あまりにもそれが圧巻で息を呑んで見渡していると、チサトさまが翠さまに向き直って
「はいはい、ここからは男子禁制となりますのでとっとと退室願いまーす」
翠さまをグイグイと部屋から追い出そうとする。
「わかったよ、わかったから!じゃあすず、頑張れよっ」
そうして翠さまは扉の向こうへと消えていった。
そのさまを呆然と見ていたわたしにチサトさまはニッコリと笑って、
「初めまして、すずちゃん。わたしは室井千聖と言います。翠くんとはちょっとした知り合いでね、今回あなたに似合う服を見繕って欲しいとあの翠くん直々に依頼があったものだから何事かと思ったけど…なるほどね」
自己紹介と事の経緯を簡単に説明してくれた。
なんとなくだけど、悪い人ではなさそうだ。
「み、三神すずと申します。あ、あの、翠さまとわたしは…」
恋人ではありません___。
「すずちゃん、申し訳ないけど時間があまりなくて。急いでフィッティングしましょう!」