お別れの 選択


「でもこんな高いプレゼント なんか悪いな」

急に我に返ったわたしはあの時見た靴の値段を思い出す

「おれずっとバイトしてるから プレゼントなにがいいかわざわざ考えなくていいようになったくらいにしか思ってないわ なによりも喜んでくれでるのが嬉しい」

かっこよすぎだろ拓人 

「大切に履くね! デートの時は必ず履く!!」

「飾られてても意味ないからな そうしてくれると嬉しいわ」

あの時のはにかむ拓人の表情が今でも鮮明に覚えてる

あの日以来わたしはデートでこの靴を履いていた

デートじゃなくても履いてた

みんなに自慢するかのように履いていた

大切に、大切に、履いてた靴… 

その思い出と一緒に大切にしていた




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