満月に引き寄せられた恋〜雪花姫とツンデレ副社長〜
そんな過ぎた日々を思い返しながら、私はスケッチブックの最初のページを開いた。
そこには、手書きで記された今年の満月カレンダー。
「えーっと、今月は……、もう七月か」
指でなぞりながら、思わずつぶやく。
確か今夜は──バックムーン。
仕事や健康運、新しい始まりに関する願いごとをするのに良い満月だって、どこかで読んだ記憶がある。そういえば先月のストロベリームーンは、恋愛成就だったっけ。
ふと、脳裏に浮かんだのは、熊男の顔。
……、ああ、やっぱり私は、彼に惹かれてるんだ。
片や大企業の副社長、片やその会社の一社員。年齢も離れてるし、立場も違う。きっと彼にとって私は、気を遣わずに接することができる“妹のような存在”なのかもしれない。
それでも……、心の中で思っているだけなら、許されるよね?
たとえまた傷ついたとしても、この“好き”という気持ちだけは、今は手放したくない。
そんなことを思いながら、私はページをパラパラとめくり、最後の一枚に辿り着いた。
そこには、亡くなった彼の笑顔。何百回と見てきた、あの穏やかな顔。
けれど今夜、涙は出なかった。心がざわつくこともない。不思議なほど静かで、やさしくその笑顔を見つめていられた。
もしかして……、少しだけ前に進めているのかな。
心の中で、そっと問いかける。
いいのかな、幸せになっても?
そして、そっと声に出してみた。
「……、うん、いいんだよ」
──「いいわけないだろーがッ!」
そこには、手書きで記された今年の満月カレンダー。
「えーっと、今月は……、もう七月か」
指でなぞりながら、思わずつぶやく。
確か今夜は──バックムーン。
仕事や健康運、新しい始まりに関する願いごとをするのに良い満月だって、どこかで読んだ記憶がある。そういえば先月のストロベリームーンは、恋愛成就だったっけ。
ふと、脳裏に浮かんだのは、熊男の顔。
……、ああ、やっぱり私は、彼に惹かれてるんだ。
片や大企業の副社長、片やその会社の一社員。年齢も離れてるし、立場も違う。きっと彼にとって私は、気を遣わずに接することができる“妹のような存在”なのかもしれない。
それでも……、心の中で思っているだけなら、許されるよね?
たとえまた傷ついたとしても、この“好き”という気持ちだけは、今は手放したくない。
そんなことを思いながら、私はページをパラパラとめくり、最後の一枚に辿り着いた。
そこには、亡くなった彼の笑顔。何百回と見てきた、あの穏やかな顔。
けれど今夜、涙は出なかった。心がざわつくこともない。不思議なほど静かで、やさしくその笑顔を見つめていられた。
もしかして……、少しだけ前に進めているのかな。
心の中で、そっと問いかける。
いいのかな、幸せになっても?
そして、そっと声に出してみた。
「……、うん、いいんだよ」
──「いいわけないだろーがッ!」