絆の光は未来へ
その健気さが、光希の胸を締め付ける。彼女の病気が発覚したあの日。

まだ前期研修医だった自分は、ただそばにいることしかできなかった。そのもどかしさが、彼を産婦人科医へと導いた。彼女を守りたい、その一心で。

カルテの薄い紙の向こうに、あゆかの未来がぼんやりと霞んで見えるようだった。「将来的に妊娠しづらくなる可能性」。

その言葉を口にするたび、彼の心臓は重く脈打った。彼女が看護師になる夢を持つように、光希もまた、あゆかがいつか、女性としての自然な幸福を手に入れることを心から願っていた。

そのためには、今、彼女が直面している病気と真剣に向き合い、最善の治療を施すことが不可欠だ。
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