絆の光は未来へ

産婦人科の待合室で

実習期間中、あゆかは以前にも増して体調管理に気を配っていました。

光希との話し合いを経て、無理のない範囲で学習と実習に取り組むことを心に決めていましたが、やはり緊張と疲労は蓄積していくものでした。

特に、前回倒れてしまった原因の一つとして挙げられたホルモンバランスの乱れについては、光希も特に懸念しており、定期的な検査を促していました。

その日は、実習が全て終わった後の夕方でした。最終の指導への報告を終え、真新しいナースウェアのままあゆかは、光希が手配してくれた通り、病院内の産婦人科の待合室へと向かいました。

すでに通常の診療時間は終了しており、待合室には誰もいません。静まり返った空間に、所々の蛍光灯の光だけがぼんやりと灯っています。

普段は患者で賑わう待合室も、この時間ばかりはひっそりとしていて、あゆかは入口から一番奥にあるソファに腰を下ろしました。

疲労がじわりと体に染み渡るのを感じながらも、手慣れた様子で実習記録の続きを始めました。開いたノートには、今日の患者の状態や行ったケア、反省点などが細かく記されています。

ペンを走らせる音だけが、静寂の中に小さく響いていました。
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