絆の光は未来へ
しかし、光希と蓮は共に病院の中でも指折りの優秀な医師です。質問攻めにあっていたとはいえ、彼らの的確な指導と明瞭な解説により、医学生たちの疑問は意外とあっさりと解決しました。

医学生たちは満足そうに頭を下げると、「ありがとうございました!」と声を揃え、足早にそれぞれの部署へと戻っていきました。

ようやく解放された光希と蓮は、安堵の息をつきました。

「いやぁ、今日は熱心な子たちだったな。あの質問攻めは予想外だったが、なかなか見込みのある医学生たちだ」

光希が腕を組みながら言いました。蓮も同意するように頷きます。

「まったくだなぁ」

蓮の言葉に、光希はにこりと微笑みました。 自身の専門分野に加え、より幅広い患者の人生に寄り添いたいという思いが彼の中に芽生えていました。

特に、光希とあゆかの夫婦としての姿を見て、生命の始まりを支える産婦人科の魅力に惹かれるようになったのかもしれません。

光希は蓮の肩をポンと叩きました。医学生たちの話題で少し足取りが軽くなった二人は、そんな会話を交わしながら、あゆかの待つ産婦人科の待合室へと足を進めました。彼らはまだ、その先に待つ恐ろしい事態を全く予期していませんでした。
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