絆の光は未来へ

一ノ瀬side

産婦人科の裏口から中に踏み入った瞬間、目の前に広がる光景に俺の全身の血の気が一気に引いた。

まさか、こんな凄惨なことが神聖であるべき病院内で起こるとは。光希が医学生に激しく殴りかかったのを目にして、俺は瞬時に状況を判断した。

光希を止めなければ、彼は確実に取り返しのつかないことをしてしまう。そして何より、あゆかをこれ以上傷つけるわけには絶対にいかない。

俺は即座に自分の白衣を脱ぎ、震えているあゆかにそっと掛けると、光希に代わって医学生を力ずくで取り押さえた。

すぐに警備員を呼び、あの下劣な奴が警備員に連行されていくのを冷静に見届けた時、奴の口から発せられた嘲笑と侮辱に満ちた言葉が俺の耳に鋭く飛び込んできた。

「これでお前らに一生消えない記憶になったな
俺の愛する人を奪った報いだ。」

あの瞬間、俺も光希と同じくらいに激しい怒りと憎悪に全身を震わせた。

同じ医学を学ぶ者でありながら、一人の人間として、これほどまでに醜悪で卑劣な行いをする奴がこの世に存在するとは。

医師になろうとする者が、人を癒すのではなく傷つける側に回り犯罪行為に手をそめるのは許されるはずがない。
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