絆の光は未来へ

突然の抱擁と、温かい唇

つぎの日の夜、あゆかが眠りにつく準備をしている時だった。いつものように、光希はベッドサイドに座り、ある詩集を静かな声で読み聞かせ終えた。

あゆかの表情は穏やかで、数ヶ月前の緊張に満ちた顔とは別人のようだった。部屋の明かりを落とし、薄暗い中で月光がカーテンの隙間から差し込んでいる。

静かに寝息を立てるあゆかの傍らで、光希もまた疲れた体を休めようと、そっと目を閉じていた。

その瞬間、予期せぬ温かい衝撃が光希の胸に走った。
あゆかが、突然、彼に抱きついてきたのだ。

驚く隙も与えずに、彼女の細い腕が光希の腰に回され、その小さな体が彼にぴたりと密着した。光希の心臓は激しく跳ね上がった!

何ヶ月もの間、触れることすら躊躇われたあゆかからの、突然の、そして自発的な抱擁。

彼の脳裏には、あの忌まわしい事件以降の拒絶の記憶がよぎった。

浴室に駆け込み、「汚れるから触らないで!」と叫んだあゆかの声が、まだ耳の奥に残っていた。

しかし、今回は全く違っていた。彼女の抱擁には恐怖ではなく、愛おしさと信頼が込められていた。

そして、光希がその状況を理解するよりも早く、あゆかの唇が、彼の唇にそっと重ねられた。
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