絆の光は未来へ
光希はしばらく言葉を失っていた。そして、ゆっくりとあゆかの手に自分の重ねた手に力が入った。

「本当に...?俺たちの子供が?」

光希の目に涙が浮かんだ。

「あゆか...」

光希はあゆかを優しく抱きしめた。

「ありがとう。こんなに幸せなことって...」

「私も最初は信じられなくて。でも、光希と一緒だから、きっと大丈夫だって思えるの」

「大丈夫も何も、最高じゃないか」

光希は笑いながら涙を拭いた。

「今まで黙ってごめんね…どうしても向き合う時間が欲しかったの。乗り越えたんはずのあの記憶が…フラッシュバックしてきたの。だから…怖かった。」

「今ここには俺しか居ない。大丈夫だから。
どんなあゆかでも愛してる、俺の過去だって受け入れてくれたじゃないか。」

二人は静かに抱き合い、新しい命がもたらした奇跡を噛みしめていた。
< 269 / 284 >

この作品をシェア

pagetop