五妃伝 ~玉座に咲く愛~
「では、茶でも飲もう。」

玄曜の言葉で、侍女が三人分の茶を用意して運んでくる。

「これは?」玉蓮が目を留めた。

「普段と、香りが……少し違いますね。」

「気のせいだろう。」陳亮が軽く受け流す。だが、玉蓮の眉が僅かに動いた。

三つの盃が、静かに並べられる。玉蓮はそっと湯気を感じ取り、鼻を近づけた。

「……甘い。」

その瞬間、父も顔を上げた。「玉蓮、それは……」

次の刹那、玉蓮は立ち上がり、玄曜の前に差し出された盃を叩き落とした。

茶が飛び散り、周囲がざわつく。

「何を――!」陳亮が身構える。

「お止めください!」

玉蓮の声が、室内に響いた。

「うう…」

玉蓮は意識を失い、その場に倒れ込んだ。

目を覚ましたのは、それから三日経っての事だった。
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