五妃伝 ~玉座に咲く愛~
普段なら簡単に拝謁できる身ではないはずの人物が、今、自分の前に現れている。

玉蓮は慌てて身体を起こそうとするが、玄曜は手を上げてそれを制した。

「玉蓮。この度は、朕を救ってくれて感謝している。」

その言葉と共に、玄曜は深く頭を下げた。

玉蓮は目を丸くした。

皇帝が、自分のような小娘に頭を下げるなど、あり得ない光景だった。

「い、いけません、陛下。一国の主たるお方が、私などに……!」

驚きと戸惑いで声が震えた。

玄曜はゆっくりと顔を上げ、真剣な眼差しで玉蓮を見つめた。

「聞けば、召し上げを希望していたと聞く。」

その言葉に、玉蓮はほのかに苦笑を浮かべた。

夢見ていたはずの願い。

だが、すでに過ぎ去ったものだと思っていた。

「……はい。でも、もう終わりました。あの機会はもう……」
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