番外編「休日のバーテンダーズ」
アールが家中に掃除機をかけている間、弟のしーは買い物へ出ていた。しーの本名は「四季」と言う。
ふたりが共同経営する渋谷のバーでは「エル」と呼ばれている。
どんどん蒸し暑くなる気温に耐えかね、アールがダイニングのエアコンのスイッチを入れ、シャワーを浴びているうちに四季が帰ってきた。
「りつー。
なぁ、ここあっつくね?」
「今エアコン入れたばっかだよ。おかえり、しーちゃん」
「アイス買ってきちゃった」
「やった!!」
四季は家の買い物をすっかり済ませ、しかもアイスクリームまで買ってきてくれた。一歩外に出れば頼りになる人間である。家の中ではふにゃっふにゃだが。
ふたりでニコニコしながら軽い昼ごはん兼おやつを食べた。ニコニコしているが会話がない。会話がなくても楽しい。
冷蔵庫で冷えている麦茶を分け合い、コンビニの新作の菓子パンを分け合い、いっしょにアイスを食べた。それだけで本当に楽しいのだ。彼らは。
午後、
立夏と四季の兄弟はそれぞれの部屋で軽い筋トレにはげみ、そのあとは別々に好きなことをして過ごした。兄の立夏は水彩絵の具で絵を描き、
弟の四季は本を読み、映画を観た。たまに立夏が四季に声をかける。「しーちゃーん、休憩してお水のもー」と。
好きなことをしたあと、しばらく四季はノートパソコンに向かってバーの収支とホテルでの給料を家計簿アプリに入力する作業に追われ、
立夏は風呂とトイレの掃除をした。
夕方になり、四季がキッチンに立つ。
兄とまったく同じ手の洗い方をする。洗う時間まで同じだ。
冷蔵庫から鶏もも肉を取り出し、包丁でていねいに開く。塩コショウをふる。フライパンに薄くオリーブオイルを敷き少しあたため、
その上に開いた鶏肉を乗せフタをする。しばらく経ったらみじん切りにしたタマネギを大量に投入してまたフタをする。
朝のあまりご飯はレンジであたため、さっくりとほぐす。ルッコラとキュウリとミニトマトでサラダを作る。トングで鶏肉の様子を見る。
その間、立夏は早々と風呂に入っていた。今日も1日疲れた。休日なのに働きっぱなしだった。
ふたりが共同経営する渋谷のバーでは「エル」と呼ばれている。
どんどん蒸し暑くなる気温に耐えかね、アールがダイニングのエアコンのスイッチを入れ、シャワーを浴びているうちに四季が帰ってきた。
「りつー。
なぁ、ここあっつくね?」
「今エアコン入れたばっかだよ。おかえり、しーちゃん」
「アイス買ってきちゃった」
「やった!!」
四季は家の買い物をすっかり済ませ、しかもアイスクリームまで買ってきてくれた。一歩外に出れば頼りになる人間である。家の中ではふにゃっふにゃだが。
ふたりでニコニコしながら軽い昼ごはん兼おやつを食べた。ニコニコしているが会話がない。会話がなくても楽しい。
冷蔵庫で冷えている麦茶を分け合い、コンビニの新作の菓子パンを分け合い、いっしょにアイスを食べた。それだけで本当に楽しいのだ。彼らは。
午後、
立夏と四季の兄弟はそれぞれの部屋で軽い筋トレにはげみ、そのあとは別々に好きなことをして過ごした。兄の立夏は水彩絵の具で絵を描き、
弟の四季は本を読み、映画を観た。たまに立夏が四季に声をかける。「しーちゃーん、休憩してお水のもー」と。
好きなことをしたあと、しばらく四季はノートパソコンに向かってバーの収支とホテルでの給料を家計簿アプリに入力する作業に追われ、
立夏は風呂とトイレの掃除をした。
夕方になり、四季がキッチンに立つ。
兄とまったく同じ手の洗い方をする。洗う時間まで同じだ。
冷蔵庫から鶏もも肉を取り出し、包丁でていねいに開く。塩コショウをふる。フライパンに薄くオリーブオイルを敷き少しあたため、
その上に開いた鶏肉を乗せフタをする。しばらく経ったらみじん切りにしたタマネギを大量に投入してまたフタをする。
朝のあまりご飯はレンジであたため、さっくりとほぐす。ルッコラとキュウリとミニトマトでサラダを作る。トングで鶏肉の様子を見る。
その間、立夏は早々と風呂に入っていた。今日も1日疲れた。休日なのに働きっぱなしだった。