彼が甘いエールをくれたから
「自信ないよ。私に務まるかな……」
筧くんは同期の中でも優秀で、チームをまとめる能力に長けた人だから、これまでも何度かチームリーダーを任されている。上司からも同僚からも信頼が厚い。
しかし私は彼とは逆にコミュニケーション能力が低いのだ。
一年前、重要なプロジェクトで後輩にうまく指示を出せなかったことが、今ではすっかりトラウマになっている。
「昔のこと、気にしてるのか?」
――後輩に当たる女性社員から言われた心ない言葉が、記憶の奥で疼き出す。
『忽那さんって頼りないよね。失敗したら責められるのはこっちなのに』
あのときは、今思い返してもつらい日々だった。
自分自身が不甲斐なくて、情けなくて……必死でがんばっていたけれど、社内の雰囲気は最悪だった。
私は委縮してしまい、空回りばかりしていた。それでも仕事の納期は待ってくれない。当然だ。
失敗したくない。誰かのせいにもしたくない。
そんな思いから、それ以降はすべて自分ひとりでできるようにならなければと気負うようになった。
なにかにつまづいたとしても、私がひとりで仕事をこなせばいいだけのこと。
筧くんは同期の中でも優秀で、チームをまとめる能力に長けた人だから、これまでも何度かチームリーダーを任されている。上司からも同僚からも信頼が厚い。
しかし私は彼とは逆にコミュニケーション能力が低いのだ。
一年前、重要なプロジェクトで後輩にうまく指示を出せなかったことが、今ではすっかりトラウマになっている。
「昔のこと、気にしてるのか?」
――後輩に当たる女性社員から言われた心ない言葉が、記憶の奥で疼き出す。
『忽那さんって頼りないよね。失敗したら責められるのはこっちなのに』
あのときは、今思い返してもつらい日々だった。
自分自身が不甲斐なくて、情けなくて……必死でがんばっていたけれど、社内の雰囲気は最悪だった。
私は委縮してしまい、空回りばかりしていた。それでも仕事の納期は待ってくれない。当然だ。
失敗したくない。誰かのせいにもしたくない。
そんな思いから、それ以降はすべて自分ひとりでできるようにならなければと気負うようになった。
なにかにつまづいたとしても、私がひとりで仕事をこなせばいいだけのこと。