すべての花へそして君へ①
「カオルくんは、コズエ先生のどんなところが好き?」
「年上ですう!」
「え」
「ぼくは年上の人にしか興味はないんですよお~」
「そ、そうなんだー……」
大人な女性か。確かに、わたしには全然ないものを先生は持ってるから、それはちょっと憧れるかも。
でも、彼が年上にしか興味がない理由は、どうやらわたしが頭に浮かべたものではないようだ。
「……年上の方ぐらいしか、ぼくなんかをわかってはくれないと思うので」
「カオルくん……」
「同い年には迷惑がられ、年下には奇怪に見られ。……そんなぼくは、いろんなものを捨てました」
そう言う彼の瞳には、何の感情もなかった。言葉通り、そんな感情さえ捨ててしまったかのように。
わたしは、そんな彼の腕にそっと触れた。
「……教えて? 何を捨てたの?」