すべての花へそして君へ①
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「それで? カオル、どうしたの?」
「コズエさんのところに行かないんですか」
九条に蹴られて、なんとか復活を遂げたオレと、オレにとっては未知の領域の強さを持つアイさんは、膝を抱えて小さくなっているカオルにそう声をかける。
「……ぼくは、別に。どうもしません」
「ん?」
「いや、明らかに様子がおかしいですよ」
「おかしいのは……。コズエさんの方です」
「(……そりゃ)」
「(そうでしょうね)」
「わかりません。ほんと……。ぼくは。ぼくの都合のいい方にしか……。取れないんです……」
「(でしょうよ)」
「(そうでしょうよ)」
もっと小さくなってしまったカオルの背中を、そっと支えたアイさんの視線がこちらに飛んでくる。それにオレは、小さく頷いた。
「(ま。大人だからね。ちゃんと言うでしょう)」
「(知らぬは当人ばかりなり、ですね)」
これは、自分たちのことを話す前に、彼の悩みを聞いてあげないといけないなと。きっと、オレだけではなくアイさんも思っただろう。
「それで? カオル、どうしたの?」
「コズエさんのところに行かないんですか」
九条に蹴られて、なんとか復活を遂げたオレと、オレにとっては未知の領域の強さを持つアイさんは、膝を抱えて小さくなっているカオルにそう声をかける。
「……ぼくは、別に。どうもしません」
「ん?」
「いや、明らかに様子がおかしいですよ」
「おかしいのは……。コズエさんの方です」
「(……そりゃ)」
「(そうでしょうね)」
「わかりません。ほんと……。ぼくは。ぼくの都合のいい方にしか……。取れないんです……」
「(でしょうよ)」
「(そうでしょうよ)」
もっと小さくなってしまったカオルの背中を、そっと支えたアイさんの視線がこちらに飛んでくる。それにオレは、小さく頷いた。
「(ま。大人だからね。ちゃんと言うでしょう)」
「(知らぬは当人ばかりなり、ですね)」
これは、自分たちのことを話す前に、彼の悩みを聞いてあげないといけないなと。きっと、オレだけではなくアイさんも思っただろう。