すべての花へそして君へ①

女扱いに動揺する女子もいる


 ――ハイテンションの時、わたしは言いました。


『今日はみ~んなでご飯にしましょう! わたしを助けてくれたお礼です! 今晩は道明寺で祝賀会です~!』


 ……言った。確かに言った。記憶はもちろんありますよ。でも、ついさっきッスよ? いや、寝ちゃってたから六時間は優に経ったけどね?


『道明寺の前は、今大変なことになってるんだって。だから皇に変更するらしいよ』


 仕事が早いよ。早過ぎるよ。金持ち怖っ……。みんなの行動力怖っ。
 ちょっと思った。発言には気を付けようって。いや、するつもりだったけど、まさかこんなに早く手配すると思わないでしょ? わたしが知ってる皆さんはとってもやさしいんですけど。冗談さえも本気で取りかねないので、以後色々気を付けます。

 今回のことに関しては、とても感謝してるからたくさんお礼を言うつもり。もちろん、それはパーティーのことだけじゃなくて、『今までのことすべて』に。


(まあそれはいいんです。それはちょっくら置いといて)


 そんなこんなで、現在皇へと向かっています。……お手々を繋いで。


(いっ、居たたまれない……)


 嬉し恥ずかしむず痒い。
 ドキドキ言ってる心臓が、この手を通して伝わってしまうのではないか。それくらい、ただ手を繋いでいるだけなのに、平常心じゃいられない。


(いや。ただ手を繋いでいるだけなら、まだ、心臓さんが総力を挙げて動くことはなかったかも知れない……)


『ごめんね、重いでしょ。持つよ?』


 重くて大きな鞄。わたしはへっちゃらだけど、ヒナタくんは重いだろうし。それに、元々入っているのはわたしの荷物だから。……そう言ったらだ。


『言ったじゃん。大歓迎だって』


 出していた手を、やんわり断られ。そのまま流れるようにその手を掴まれて。いつの間にか、知らぬ間に。気付けばわたしは歩道側をテクテクテク……。


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