赤く染まった空


背後から足音が聞こえてすぐそばに近寄ってきた。どうすれば⋯どうにか逃げる術をと考えたが間もなく腹に蹴りが入り仰向けにさせられた。



「あんたのせいなんだからな」



憎しみに満ちた表情の彼女の奥には空が見えた。さっき扉の向こうから差してきた光は白く明るかったはずなのに今見える空はとても赤かった。空ってこんなに赤かったっけ⋯それが血のせいだと理解する前に視界は真っ暗になった。


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