サヨナラじゃない
〚変わったよね〛
「さて、栃野さんが帰ったことだし、この世界での"設定"を教えよう」
「設定?」
怪訝な顔を一瞬してしまったが、「そっか」とすぐ納得する。
だって、この世界ではもう、『佐野 千影』は居ないんだ。
居ない存在がここに居たら、可笑しいしね。
「まずは鏡を見てくださーい」
肩を捕まれ、くるっと回されると、後ろには全身鏡が置いてあり、前の私の見た目とは少し変わっていた。
茶色の髪はショートに。顔立ちは変わっていない。
服装は、月のジッパーが付いた灰色でダボッとしたジャージに、膝の高さまでの黒色のラフなズボン。そのズボンは横に暗めな黄色の、線が入っている。完全に運動着だ。
「転校してきた俺の従兄妹が千影。あ、高2だった千影は中2に年齢が変わってるから。勿論、体の年齢もね。」
「へー」
「友達作りとか、一から頑張って。それと、出来るだけ人と行動したほうがいいよ。色々教えてもらえると思うし」
思ったよりアラレはしっかり面倒を見てくれる。
ここらへんについて、多分だけど、結構詳しくなったと思う。多分だけど!
「それと、後で日記買いに行こっか」
「……」
一瞬きょとんとしてしまって、アラレが呆れる。
「…あのさー、千影?ここに千影が来た目的って、世界を壊すか壊さないか決めるためだよ。」
「だから、記録つけたほうが考えやすいから日記を買いに行くの。わかる?」
これはうっかりしてた。
確かにそうしたほうがいいかも!
「確かに!行こう行こう!!」
「……」
明るい調子で言った私。一方で、アラレは黙って不思議な顔で私を見つめる。
「アラレ…?」
「なんかさ、千影、出会って間もないけど、その間もない間でさ。変わったよね」
「そうかな?」
でも、確かにそうかも。
アラレに会うまでは、絶望的だったしなー。
だから、
「変われたのは、アラレのお陰だと思う!」
全力の笑顔でそう言うと、みるみる内にアラレの顔が茹で上がってゆく。
「っ…〜!」
「アラレ?」
顔を防ぎみにしながら、財布を持ってアラレは玄関へ走った。
「千影!!行くよ!!」
なんだ、元気じゃん。
「は〜い!」
私は笑って返事をした。
「設定?」
怪訝な顔を一瞬してしまったが、「そっか」とすぐ納得する。
だって、この世界ではもう、『佐野 千影』は居ないんだ。
居ない存在がここに居たら、可笑しいしね。
「まずは鏡を見てくださーい」
肩を捕まれ、くるっと回されると、後ろには全身鏡が置いてあり、前の私の見た目とは少し変わっていた。
茶色の髪はショートに。顔立ちは変わっていない。
服装は、月のジッパーが付いた灰色でダボッとしたジャージに、膝の高さまでの黒色のラフなズボン。そのズボンは横に暗めな黄色の、線が入っている。完全に運動着だ。
「転校してきた俺の従兄妹が千影。あ、高2だった千影は中2に年齢が変わってるから。勿論、体の年齢もね。」
「へー」
「友達作りとか、一から頑張って。それと、出来るだけ人と行動したほうがいいよ。色々教えてもらえると思うし」
思ったよりアラレはしっかり面倒を見てくれる。
ここらへんについて、多分だけど、結構詳しくなったと思う。多分だけど!
「それと、後で日記買いに行こっか」
「……」
一瞬きょとんとしてしまって、アラレが呆れる。
「…あのさー、千影?ここに千影が来た目的って、世界を壊すか壊さないか決めるためだよ。」
「だから、記録つけたほうが考えやすいから日記を買いに行くの。わかる?」
これはうっかりしてた。
確かにそうしたほうがいいかも!
「確かに!行こう行こう!!」
「……」
明るい調子で言った私。一方で、アラレは黙って不思議な顔で私を見つめる。
「アラレ…?」
「なんかさ、千影、出会って間もないけど、その間もない間でさ。変わったよね」
「そうかな?」
でも、確かにそうかも。
アラレに会うまでは、絶望的だったしなー。
だから、
「変われたのは、アラレのお陰だと思う!」
全力の笑顔でそう言うと、みるみる内にアラレの顔が茹で上がってゆく。
「っ…〜!」
「アラレ?」
顔を防ぎみにしながら、財布を持ってアラレは玄関へ走った。
「千影!!行くよ!!」
なんだ、元気じゃん。
「は〜い!」
私は笑って返事をした。