誰にでも優しいくせに、私だけに本気なんてズルい– 遊び人エリートのくせに、溺愛が止まらない –
だけど、隼人さんは――桐生部長は、私の後ろを歩くのをやめなかった。

足音がついてくる。その気配に、私はとうとう我慢できなくなった。

「どうして、ついてくるんですか。」

振り返って睨みつけたつもりだったのに、彼は笑った。

「……やっと振り向いてくれた。」

そう言って、私の肩をそっと抱き寄せてくる。

心臓が跳ねるように高鳴る。ずるい、そういうところ――ずるすぎる。

「ほら、この前行けなかったイタリアン、行こう。」

「……予約してあるんですか?」

試すように尋ねると、隼人さんは悪びれもせずに答えた。

「してないけど、行けば席を作ってくれるよ。」

本当にこの人は。強引で、自信家で、ずるくて――でも、それがたまらなく魅力的。
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