誰にでも優しいくせに、私だけに本気なんてズルい– 遊び人エリートのくせに、溺愛が止まらない –
隼人さんの瞳が、少しだけ見開かれ、すぐにやさしく細められる。

「俺も、そう思ってた。」

彼は私の手を取り、そっと唇を添える。

その仕草だけで、胸がきゅっと締めつけられるほど、愛しさが込み上げた。

「ベッドに行こう。」

導かれるまま、私は彼の寝室へと足を運ぶ。

そこは静かで、やわらかな照明が私たちの影を包み込んでいた。

ベッドに押し倒され、見上げた先にある隼人さんの顔――

その表情には、いつもの余裕も、冗談もない。

「本気だから。」

彼の低い声が、まっすぐ胸に届く。

「だから、本気で抱く。」

私はうなずいた。

「うん。」

鼓動が、どんどん早くなる。

この瞬間が、特別で、大切で――

忘れられない一夜になることを、私たちはもう、知っていた。
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