誰にでも優しいくせに、私だけに本気なんてズルい– 遊び人エリートのくせに、溺愛が止まらない –
ベッドに身を沈めると、柔らかなシーツの感触と、隼人さんの体温がすぐ傍にあった。

キスの余韻が、唇に甘く残っている。

「紗英……」

彼がもう一度、名前を呼ぶ。

その声はまるで祈るように優しくて、胸の奥にじんと沁みた。

彼の指先が、私の頬をなぞる。

それだけで、心がほどけていく。

そっと触れられた肩口。布が滑り落ちていく感触に、少しだけ体が震えた。

「大丈夫?」

「うん……」

そう答えた私の声が、少しだけ掠れていた。

視線が合う。

隼人さんの瞳の奥には、熱と覚悟が宿っていた。

――逃げない。向き合う。

そんな気持ちが、その瞳に宿っているのがわかる。

彼の手が、胸元に触れた。

指先はとても優しくて、包み込むように私をなぞる。

そして肌が触れ合うたびに、火照った体に熱が宿る。
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