誰にでも優しいくせに、私だけに本気なんてズルい– 遊び人エリートのくせに、溺愛が止まらない –
どこまでも丁寧に、どこまでも優しく。

でも、時折見せる情熱に、息が詰まるほどだった。

唇を何度も重ね、声にならない吐息が漏れるたび、隼人さんがそっと耳元で囁く。

「好きだよ、紗英。」

私はただ、彼の名前を心の中で何度も呼んでいた。

――隼人さん、ずっと一緒にいて。

その願いが、体を重ねるたびに強くなっていった。

ベッドのシーツが、彼の体温を帯びてぬくもっていた。

私はその中で、隼人さんの腕の中にいた。

「紗英……」
囁くような声が耳元で落ちる。

名前を呼ばれるたび、心がくすぐられるように疼く。

彼の手が、私の髪をやさしく撫でる。

まるで確かめるように、慈しむように。

唇が頬をかすめ、首筋をなぞる。

その熱に、私の身体は自然と彼を受け入れていく。
< 130 / 291 >

この作品をシェア

pagetop