誰にでも優しいくせに、私だけに本気なんてズルい– 遊び人エリートのくせに、溺愛が止まらない –
「君が欲しい」

低く響いたその言葉に、胸がぎゅっと締めつけられる。

私はゆっくり目を閉じ、そっと彼に身を委ねた。

彼の動きはあくまで丁寧で、焦らすようでいて、でも確かに私を求めていることが伝わってくる。

絡められた指先が、私の背中をなぞる。心と心が少しずつ溶け合っていくのを感じた。

「……隼人さん」
名前を呼ぶ声が、熱に震える。

彼の体温が、私を満たしていく。

心地よい重なり。波のように訪れる熱。

彼の息遣いが、私の耳元で乱れるたびに、何かが確かに繋がっていく。

これは、ただの一夜じゃない。

心の奥まで触れられている――そんな確信。

「君を、大事にする」

唇を重ねながら、隼人さんがそう囁いた。

その瞬間、私は彼の腕の中で、涙がこぼれそうになった。

こんなふうに、愛されたかった。

誰よりも深く、誰よりも優しく。

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