誰にでも優しいくせに、私だけに本気なんてズルい– 遊び人エリートのくせに、溺愛が止まらない –
リビングの明かりは落ちていたけれど、テーブルの上に置かれたスマホが、チカチカと光っているのが目に入った。

真っ暗な部屋で、その光だけがやけに目立っていた。

(誰からだろう――)

一瞬、躊躇した。

でも、手が勝手に伸びてしまった。

ロック画面に浮かんだ、メッセージの通知。

『隼人、今度抱いて。美香』

一瞬、脳が何を見たのか理解できなかった。

もう一度、画面に視線を戻す。

けれど、そこには変わらずその一文が、鮮やかに浮かんでいる。

――“今度抱いて。”

ガラスのような何かが、胸の奥で音を立てて砕けていく。

重力に負けるように、私はリビングのソファーの前に座り込んだ。

(……抱いているのは、私だけじゃなかったんだ)

頭の中で、何度もその言葉がこだまする。
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