誰にでも優しいくせに、私だけに本気なんてズルい– 遊び人エリートのくせに、溺愛が止まらない –
そして、彼が通りかかったその瞬間、迷いなく声をかけた。

「……ねえ、どうして昨日、返信くれなかったの?」

隼人は、一瞬だけ眉を寄せたが、すぐに淡々と返す。

「なんの話だ?」

「もう、また抱いてって言ったじゃない」

その口調は、まるで当然のように。

何度も繰り返してきた“関係”を、またひとつ重ねるだけのように。

だが隼人の瞳は、冷たくもまっすぐだった。

「……その話か」

美香が何か言おうとする前に、隼人は口を開いた。

「悪いけど、もう君とは会わない」

「……えっ?」

目を見開いた美香さんに、彼ははっきりと告げた。

「本気の女ができた」

「……まさか。まさか付き合ってるわけじゃないでしょ?」

強がりにも似た笑み。

だが、隼人さんは微笑みさえしない。
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