誰にでも優しいくせに、私だけに本気なんてズルい– 遊び人エリートのくせに、溺愛が止まらない –
母がたまに送ってくれる昔の写真フォルダを開く。

その中の一枚、小学生の頃の写真。

七分袖のワンピースに、大きなリボンがついたヘアゴム。

ピアノの前で、少し緊張気味に微笑んでいる私。

「こういう子どもでした。」

「……なにこれ、めっちゃ可愛いじゃん。」

思いがけない反応に、私は顔を赤らめた。

「ピアノ、習ってたの?」

「うん、親の趣味で。練習は嫌いだったけど、発表会のドレス着るのだけは好きでした。」

「なるほどね……」

隼人さんは、じっと写真を見ていた。

どこか懐かしそうに、愛しそうに。

「子どもの頃の写真見せられて、こんなに嬉しいって思ったの初めてかも。」

「えっ……なにそれ、どういう意味?」

「今こうして隣にいる人の、過去を知るって、なんかいいなって。」
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