誰にでも優しいくせに、私だけに本気なんてズルい– 遊び人エリートのくせに、溺愛が止まらない –
ふたりでキッチンに向かいながらも、彼は背後からそっと私を抱いたままだった。

背中に感じる体温。ぴたりと合わさる胸の鼓動。

「隼人さんに似た、ちょっとやんちゃな男の子と……」

「紗英に似た、頑張り屋の女の子がいいな。」

耳元に落とされたその言葉に、胸がじんわりと熱くなる。

あたたかく、未来を見つめるまなざし。

ふたりの間に、そんな未来を思い描いてくれていることが、ただ嬉しかった。

「……もし生まれてきたら、大事にしてね。」

「当たり前だよ。君のことも、全部、大切にする。」

抱きしめられながら、小さな未来が胸の奥で芽吹いたような気がした。

あたたかい光の中で、私たちの影がひとつに重なっていた。
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