誰にでも優しいくせに、私だけに本気なんてズルい– 遊び人エリートのくせに、溺愛が止まらない –
私が知っている“桐生部長”は、

いつも冷静で、隙がなくて、ちょっと強引で。

だけど――

(子供が好きで、お兄さん思いで……そして、エロい。)

ぷっと吹き出しそうになった。

こんなオフィスの真面目な空気の中で、何を考えているの、私。

でもそれが今の“彼”なんだ。

他の誰も知らない、私だけが知っている隼人さん。

そして、あの人が「結婚を考えてる」と言った相手――それが、私だ。

「ねえ、桐生部長のこと、もっとよく知りたくない?」

上林さんが、にやりといたずらっぽく言った。

「えっ……」不意打ちに言葉が詰まる。

「観察しに行きましょうよ。営業部へ、出張調査!」

「ええ!」まるでテンションが小学生の社会科見学だ。

なぜかその勢いのまま、私は上林さんに手を引かれて営業部のフロアへ。
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