誰にでも優しいくせに、私だけに本気なんてズルい– 遊び人エリートのくせに、溺愛が止まらない –
しかも周囲に人がいる居酒屋で。どうして私に答えさせるの?

思わず目を泳がせていると、隣の上林さんが割って入った。

「桐生部長、篠原さんのこと本気なんでしょ?だったらいいじゃないのよ、言っちゃえば!」

「……いや、俺はずっと前からそのつもりだけど?」

さらっと言われて、心の中で叫んだ。

そんなの、初耳ですから。

「そうだわ。」と上林さんがバッグをごそごそと探り始めた。

「今夜の二人のために、これあげる。」

テーブルの上にポンと置かれたのは、――コンドームの小さなパッケージ。

「ちょ、ちょっと!なにしてるんですか!」

私は声をひそめて叫ぶように言った。

店員さんがこちらを一瞬ちらりと見る。

「え?だってさ、使うでしょ? この流れなら。」

「使いません!」
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