誰にでも優しいくせに、私だけに本気なんてズルい– 遊び人エリートのくせに、溺愛が止まらない –
さらっと言い切ったその声に、私は耳まで赤くなった。

「ちょ、ちょっと……!」

「大丈夫。化粧品とか、最低限のものは全部あるから。」

「そういう問題じゃなくて……!」

でも隼人さんの表情は、どこか楽しそうだった。

部屋のドアが開くと、目に飛び込んできたのは――

どーん、と構えた大きなダブルベッド。

私は思わず足を止める。

「えっと……その……」

何か言わなきゃと思うのに、まともな言葉が出てこない。

だけど、隼人さんはベッドの端に腰を下ろすと――

「……ふあぁ……」

大きな欠伸をした。

「あれ……?」

私は拍子抜けする。

「ちょっと疲れたかも。ずっと緊張してたからな。お前と飲んでる時も、会話の流れも、全部。」

「え……緊張してたんですか?」
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